そもそも「課題」とは…
デジタル大辞泉の解説は
次の通りです。
1 与える、または、
与えられる題目や主題。
2 解決しなければならない問題。
果たすべき仕事。
この解説は、プロジェクト運営の
経験者にも納得感がある表現かと。
プロジェクト運営の中では、
常に「課題」が生まれては、
その解決に取り組んでいる状態が、
通常なのではないでしょうか。
そもそも
課題の解決が必要になるのは、
目的達成の阻害要因だからです。
従って、「課題」は実務上、
以下の定義にもなり得ます。
解決しなければならない状態
一方、プロジェクトの定義は
PMBOK第五版では以下です。
創造するために実施する
有期性のある業務
プロジェクトの特徴は「有期性」です。
新たな価値を有期で創出をする為、
組織の垣根を越えてチーム化し、
集合知を形成しようとするのです。
そう考えれば、
課題解決の方法は以下になります。
集合知を活用して解消する
※まだ、秘訣ではありません。。。

しかし、
実際のプロジェクトの現場では、
上手くいかず、時間がかかることも
多いのではないでしょうか。
課題解決が上手くいかない理由
前述の課題解決の方法から
要因として以下が想定できます。
①目的の解釈が不適切
②現状の確認、理解が不十分
③集合知の形成が不十分
④施策と真因がミスマッチ
⑤施策推進のリソース不良
これらのいずれかに
当てはまるケースが多いのです。
ところが、
実際の課題解決の現場では、
課題が起きている原因を
なぜなぜを繰り返した
ロジックツリーで
因数分解することが多いです。
但し、このアプローチは、
小さな課題では有効ですが、
大きな課題では非効率です。
理由は、
施策の数が多くなるので
施策推進のリソース不良を招き、
且つ、効果検証時も何が効いたのか
分析が困難になってしまうからです。
要は、
「たくさん施策を頑張ったのに、
良くなった理由が分からない」
ということが起きます。

特にコンサルティング会社が入り、
課題解決のアプローチとして
良く提案されるケースなので、
要注意です。
このロジックツリーのアプローチでは、
施策とリソースが多く必要になり、
対応コストが増大する一方で
成功、失敗の起因要素も多くなり、
成否説明の逃げ道も多くなります。
高い費用だったにも関わらず、
上手くいったのかよく分からず、
裏切られた方も多いのでは?
意図する、しないにせよ、
こういった提案の合理性を読んでいない
コンサルタントは思考プロセスが
もう一歩かもしれません。
課題解決を成功させるには
上述の上手くいかない要因に
対処することが解決の秘訣です。
①目的と目標を具体化する
②現状を正確に表出化する
③検討体制を再整備する
④課題の真因を特定する
⑤施策推進体制を再構築する
以下にこれらの内容を説明します。
①目的と目標を具体化する
大抵の場合、
目的と目標が混同されています。
目的の達成を示す標が目標です。
デジタル大辞泉では、
実現しようとしてめざす事柄。
行動のねらい。めあて。
【目標】
行動を進めるにあたって、
実現・達成をめざす水準。
です。
目標を定めておかないと、
施策の実施結果を判断できないので、
目的と目標をそれぞれ必要です。

②現状を正確に表出化する
プロジェクトの報告資料で、
良く目にする提案資料は、
現状分析が局所的だったり、
言葉、数字、括りが誤っていたり、
質問に的確に答えられず、
持ち帰りになる事も多いです。
特に最悪なのは、
直感的に思いついた施策案に
合わせたかのような現状分析です。
つまり、「手段の目的化」です。
施策は、
現状分析から浮かび上がります。
直感的に思いついた施策に
思考が引きずられないように、
意識的な自己否定が必要です。
先入観、バイアスを排除した
「ありのままの姿」として、
現状分析の表出化させていきます。
③検討体制を再整備する
「②現状分析の表出化」には、
適切な集合知の形成が必要です。
その為には、
適切な有識者を漏れなく集め、
特定のメンバーよがりの集合知に
ならないよう検討体制を整えてます。
「声が大きな人中心に進む」
「リーダーシップが取られない」
人が集まれば、良く起きることですから、
参画者の上手い役割付けも重要です。
④課題の真因を特定する
目的と現状の乖離解消が課題です。
現状と目的の乖離が生じる理由が
「真因」です。
しかし、
現場では正しく理解されていません。
「起因」は幹であり、
「要因」は枝であり、
「事象」は葉です。
多くの場合は、
「事象」と「要因」が混同し、
「起因」と「真因」に至りません。
そもそも
この構造を知らない場合が多いです。
「真因」を特定しましょう。
⑤施策推進体制を再構築する
検討体制と推進体制は別です。
検討体制への参加者が直接的に
施策を推進する為の実働者、
つまり、「手を動かす人」とは
限りません。
手を動かしてもらえないと
いくら適切な施策でも動きません。
参画者の数も変わってきます。
そうすると、
プロジェクト体制とライン組織が
連鎖、連動という施策推進体制の
再整備も必要になります。
まとめ
以上の5点が「課題解決の秘訣」です。
従って、これらを踏まえると、
プロジェクトの特徴は
次の捉え方になってきます。
プロジェクトは
お祭りのように楽しくいきましょう。



