中小企業診断士

中小企業経営改善計画策定支援(実践研修)

認定経営革新等支援機関とは

平成24年8月30日に施行された
「中小企業経営力強化支援法」に基づき、
(現在の「中小企業等経営強化法」)

中小企業に専門性の高い支援事業を行う
経営革新等支援機関を認定する制度
創設されました。

中小企業支援の補助金等の申請にあたって
認定経営革新等支援機関による
計画策定相談、計画具体性の事前確認などが
要件に含まれるものも増えており、

認定されると支援者として支援の幅も
拡がってきます。

認定制度は、
税務、金融及び企業財務に関する
専門的知識や支援に係る実務経験が
一定レベル以上

個人、法人、中小企業支援機関等を
経営革新等支援機関として認定しています。

この「一定レベル以上」を学ぶ研修が、
中小企業経営改善計画策定支援(実践研修)

この研修後にすぐ実践力判定試験があり、
合格すると認定経営革新等支援機関の申請で、
実務実績として認められます。

中小企業経営改善計画策定支援(理論研修)も
ありますが、中小企業診断士の方であれば、
特に受ける必要はありません。

修了証と合格書

中小企業経営改善計画策定支援(実践研修)とは

先述の通り、実務経験の内容が、
税務、金融及び企業財務に関するので、
主に「資金繰り」を改善するアプローチ
中心とした2日間の研修になっています。

ちなみに私が参加した時の講師は、
金融機関出身の方が2名、
税理士兼公認会計士の方が1名でした。

複数のクラスに分かれていたので、
クラス毎に組み合わせは違ったようです。

研修の中身は、
個人ワーク、グループワークが中心で、
主にSWOT分析や財務諸表の見方、窮境分析を
EXCELツールなどを使いながら、事例演習し、
最後にバンクミーティング
(金融機関への融資相談)を
イメージしたプレゼンを実施しました。

模範解答などはあるものの、
演習時間が短く、量も多いので、
やり切れない人も出てきますが、
講師は構わず、どんどん進んでいきます。

大半がツールの使い方説明でしたが、
そのツールが秀逸で、理論というより、
実務を体感することができるので、
実践力として理解しやすかったです。

また、当然ながら、
4名程度のグループワークになるので、
初対面の人と2日間議論していくには、
コミュ力次第で作業の進み具合や
研修の理解度も変わってしまいそうなので、
チーム内でお互いフォローできると良いかと。

実践力判定試験とは

この試験でびっくりしたのは、
実践力研修の中で講師の方から
出る単語や数式などは少しヒントありますが、
どんな試験かは一切話がない事です。

2日間ぶっ通しで8時間ワークした後に、
試験対策は何もできないまま、
ぶっつけで90分間の筆記試験を受けるので、
かなりヘトヘトになりました。

とにかく電卓を叩きますし、
いろいろ書き込みますので、
手と時間を目一杯使う感じです。

久々に事例Ⅳを思い出しましたし、
私自身、時間足りずで、
解き切れない問題ありましたが、
なんとか合格できました。

最後に

企業内診断士の方で
経営に関する実務スキルを上げたい、
独立開業に向けて準備したい方は
とてもお勧めの研修だと思います。

私自身も企業内診断士ですが、
勤務先での戦略立案実務を通して、
会計上の数値も見つつ、
どんな活動が現状につながり、
それを将来に向けどう変えていくかを
日々追いかけ、考えています。

その意味では、このような研修で
財務視点を定量的なマイルストンとして
事業視点で仕事の進め方、組織のあり方を
具体化していくスキルを磨く上で、
スタートラインにしやすいと感じました。

中小企業診断士2次試験との違いとしては、
2次試験は与えられた与件の中で
論理的な思考力が試されますが、

実務上は明文化されていない情報を
与件のように適切に明文化するかが
クオリティ(成果)を左右しますので、

この実践力研修は、
実務を通して体得していくには、
何を考えないといけないのかを
振り返る、考え直す機会になると思います。