なぜ上手く作れないのか
資料作成方法のコンテンツは
書籍、アプリ、研修で溢れています。
ただ、
実際に作れるようになるかというと、
私自身の管理職経験した中でも、
なかなか当てにはならないので、
結局、教えることが多いです。
私自身が作成する資料は、
主に経営会議やトップ商談用など
経営層向けの資料です。
なぜ、上手くいかないのか。
実践できる内容ではないからです。
例えば、
・考え方を整理する
・グラフの使い方
・構図のレイアウト
・キーメッセージの場所
とかが記載されてますが、
これは全て枝葉の話なんです。
枝葉だけ知っていても、
幹や根といった本質がないと、
事が進む資料にはなりません。
説明したい資料と事を進める資料は、
全く別物です。
私自身が教える場合は、
まずこれを伝えるようにしています。
つまり、
ここでお伝えしたいことは、
資料作成の心構えや取組方です。
それ次第でコンテンツの見方も
変わってくるはずです。

資料作成の本質とは
結論から言います。
何をどうしたいのか、
それを端的に言うと何か。
私の場合、
まずメンバーに聞くことであり、
まず話すことでもあります。
最初は意外と答えられないです。
端的に説明してもらいたいのに、
資料の説明を始めようとしたり…
苦し紛れの説明になったり…
なぜか。
理解できてないからです。
何をやるか(資料の目的)を
正しく理解できていないと
方法を知っていても使えません。
この質問で確認するのは、
「目的の理解度」です。
理解度に合わせないと、
一方通行になってしまい、
「目的の理解」の共有に至らず、
やり取りが空転していきます。
逆に、
依頼する側も目的が曖昧なら、
曖昧な資料になっていきます。
そもそも説明資料の目的は何か。
行動を起こしてもらい、
仕事を進めること。
です。
つまり、
自分が伝えたいことや、
自分が理解しやすい表現ではなく、
受け手が聞くべきことを
受け手が理解しやすい表現にする
必要がある訳です。

理解される資料にする方法
受け手の立場に立った資料を
作ることは非常に難しいです。
というのも、
そもそも受け手の立場を
洞察すること自体が難しいから。
仮に洞察できれば、下記論点が分かり、
資料に織り込むことができます。
・どんな質問をされるか
・メリットは何か
・デメリットは何か
・懸念、問題、課題になるか
しかし、洞察できず、
これらの論点が分からない場合は
どうするか?
関連しそうな他の資料を
探し、調べて、読み解いたり、
周りで分かりそうな人に
意見を求めたりします。
この過程がない、見えない資料は、
当てずっぽうの資料なので、
見せ方云々の前にやり直しです。
それが営業提案資料なら、
まずお客様には刺さりません。
意外にこの過程を省いていて、
指摘されまくる人をよく見ます。
大抵の場合、
「分からない」を前提にして、
「分かろうとする」努力をしてません。
当たり前の話ですが、
先の質問は「合意の判断条件」です。
つまり、合意を得たければ、
合意を得られない理由を
予め潰しておく作業をすべき。
ですから、これが無ければ、
断られるべくして断られる訳です。
非常にシンプルです。

説得力ある資料にする方法
その上でさらに、
「合意条件」をより確かにするには、
どうしていくのか。
下記がチェックポイントです。
・目的は共有し得るか
・目的は相反しないか
・明確な根拠に基づくか
・客観的事実か
・新たな客観的事実があるか
・自分の意見か
・関係者との対話結果か
・指摘を受け入れる前提か
・一緒に取り組むことが有益か
いかがでしょうか。
これらのチェックポイントを、
事前に考慮した上で資料作成に
取り組んでいるかが重要です。
もし、
資料作成者がこれらを考え、
丁寧に資料を作り、
説明してくれているとしたら、
少なくとも嫌な気はしないかと。
よくあるのは、こんな駄目ケース。
・とにかく指示通りに作る
・思い入れなく、作業として作る
・他人事で当事者意識に乏しい
・裏づけの説明が不明瞭
・資料作成の段取り説明ができない
・独りよがりに完成形を目指す
どんなに資料の見栄えのコツを
研修コンテンツで学んで、
見栄えが綺麗になったとしても、
もし、
上記のような駄目ケースで
作られた資料説明だったら、
どう感じるでしょうか。

不思議と受け手には伝わるものです。
テクニックの前に必要なのは、
心構えと取組方です。
そして、それは、
「受け手への尊敬」
「謙虚でひたむきな姿勢」
から生まれます。
私自身は、資料作成の難しさは、
こういった本質的な部分を
克服したり、身につける難しさに
起因していると捉えています。
言葉の選び方一つとっても
資料には人柄が出るものです。
私自身も未だ修行の身ですが、
一緒に鍛練に励みましょう!



