⑥網羅する言葉に変える
事例を解く回数が増えると
回答根拠になりそうな言葉に
気付く頻度も、迷う頻度も増えます。
言葉を並べて、漢字化にしたり、
文章にしたり、工夫しますが、
それでも収まらない時もあります。
そんな時にこの方法を試みます。
1次試験で「親和図」がありました。
類似した言葉をグループに分け、
整理、分類して体系化する方法です。
これと似た方法です。
類似したものは分かりやすいですが、
異なる言葉をどうまとめるのか。
「網羅する言葉」を考えます。
「網羅する言葉」とは何か
具体例を挙げます。
令和元年度 事例1 与件文の
最終行の前に次の表現があります。
売上減少と費用増大という二重苦を
生み出すことになってしまった。
そこで、
「売上減少と費用増大が生じた。」
と書きたいが字数が入らない…
両方を包含する良い表現は無いか。
そこで文脈を探ってみます。
「生み出す」ということは、
「それまで無かった」ということ。
つまり、
「既存事業に影響した」と言えます。
ただ、影響だと良し悪しが
分かりにくいので、
「既存事業の利益を圧迫した。」
「既存事業が収益低下した。」
「既存事業が悪化した。」
など。
いろいろな表現ができます。
次の具体例です。
この事例の設問2は、
「A社の企業風土」の説明です。
「企業風土」を説明材料を探します。
直接的な「〜という風土」表現はないです。
つまり、文脈を読む必要があります。
なので、
「企業風土」を形成する要因を探します。
<外部環境>
・参入障壁の高い業界
・多額の補助金支給のある主要顧客
・市場の縮小が顕著になった
・経営の根幹が揺らぐ
<内部環境>
・新人社員に切迫感がない
・古き良き時代を知っている古参社員
・新事業への取り組みを受け入れない
・業績悪化でも見直されない
結構材料がありそうです。
そこで「網羅する言葉」を考えてみます。
表現すべき文脈は、
「この外部環境でこの内部環境が起きる理由は、
〜という企業風土にある」にあるという文脈です。
ちなみに、この設問の主旨を確認してみます。
企業体質および企業風土の形成要因と
その関係について、理解力を問う問題である。
概ね外してないですね。
ちなみに、
事例回答を作る前に描いた文脈が、
設問の主旨と合っていたか、
事例訓練をする時、確認してますか。
ここを外しているようだと、
思考プロセスの改良余地アリですよ。
後は、
「網羅する言葉」を考えるだけです。
(外部環境)
主要顧客が規制や補助金に守られ、
市場縮小が見えにくく、
自社業績の影響を考える機会に乏しい為、
(内部環境)
古参社員が保守的となり、
組織内に切迫感がなく、
新規事業や業務見直しが
進まない企業風土が形成される。
といった感じでしょうか。
スピード勝負の試験なので、
私の場合はこのレベルでできれば、
OKとしていました。
このようにして、
こういった表現方法のパターンを
作る訓練をしたり、ストックして、
表現の瞬発力を高めていきます。
「見つける・分かる・書ける」は、
それぞれ違うスキルなので、
段階的に分けて訓練した方が良いです。
次回は、
⑦与件、設問と同じ言葉を使う
について書いてみます。
