中小企業診断士

苦手な事例Ⅲの攻略法 

事例Ⅲの特徴

初学者にとっても、経験者にとっても
2次試験は解答が無いので、
いつまでも確信が持てないですし、
本当に難しい試験ですよね…

5年取り組んできた私の捉え方は、
それぞれ一言で表すと、

事例Ⅰは、材料が少なくて掴みにくい
事例Ⅱは、材料が多くてまとめにくい
事例Ⅲは、関係性をつなげにくい
事例Ⅳは、公式を応用しにくい

そんな中で私は得意だった事例Ⅲを
大きな得点源にしていました。

全社的な業務プロセス変革に
携わった経験がある方は、
事例Ⅲは掴みやすいと思います。

なぜか。

色々な部署との合意形成が必要なので、
必然的に関係者の声を聞くのと同時に、
背景も理解するようになるからです。

しかし、
経験がないとイメージが湧かないことも
あると思います。

まず、経験がない方や苦手な方が
イメージしやすくするために
きっかけになりそうなのは、
この本をご紹介します。

ただ、
イメージしやすくするのが目的です。

事例Ⅲもやはり国家試験なので、
特定の業界知識の有無は関係なく、
与件の中にある情報だけで
組み立てできるようになっています。

もし、
特定業界の知識を求められるなら、
試験に出てくる業界によって、
当たり外れが出てしまい、不公平です。

その点でも個人的に事例Ⅲは、
唯一フレームワークが使いやすい
科目だと思います。

事例Ⅲで使えるフレームワーク

私自身が使っていたものを
ご紹介します。

ただ、
いろんな書籍にあるフレームワークを
そのまま使う訳ではありません。

5年以上、2次試験勉強をする中で、
自分なりに編み出したものです。

実際の診断実務にも近い
基本的なやり方、手順です。

事例Ⅲフレームワーク

これらを図示することです。

①関係者間のプロセス(工程)
②プロセス及びプロセス間の問題・課題
②プロセス間で受け渡しているもの
③起因となる受け渡しの不足要素
④起因となる受け渡しの阻害要素

とてもシンプルですが、
この観点を持てるか否かで
情報整理のしやすさが変わります。

背景にはこんなストーリがあるからです。

背景にあるストーリー

関係者間の連携が上手くできないと
お客様、社内、取引先ともギクシャク…

従来の条件で通用していたものが、
環境変化で通用しなくなってきて、
良さの在り方に変化が必要になる…

それなのに、
これまでの経験を自ら否定しにくい…

だからこそ
新たな技術や体制を戦略的に採用する…

こんなストーリーをイメージしつつ、
設問を軸に与件の情報を整理します。

過去3年の事例Ⅲの出題趣旨

ちなみに抜粋した一覧が以下です。

事例Ⅲ直近3年の出題趣旨一覧

いかがでしょうか。
直近3年もこんな感じです。

私自身、様々な部署で十数年来、
業務プロセス改革に取り組み続けて
痛感していることは、
大きな変革は組織全体が相互に
戦略的に(目指す所を同じにして)、
取り組まないと上手くいきません。

繰り返しますが、

経営的視点で業務変革を進めるには、
森と木の両方が必ず必要ですし、
その為には関係者各視点での
関連情報の集約、統合、理解が
不可欠という点
を踏まえると
事例Ⅲの出題趣旨も至極当然かと。

是非、他の事例でも
同じような分析をオススメします。

私の場合は、
単に繰り返し解く、考えるよりも、
自分自身の考え方(フレームワーク)を
いかに整えていくかを目的に
トレーニングした方が効果的でした。

今となっては、
あくまでも理論は事後的なもので、
その状況、目的に最適なフレームを
自ら創り出せるか否かが
コンサルタントに求められる業務変革力

だとも考えています。

図示するトレーニングを繰り返せば、
早く、正確になっていきますので、
残りの時間で得点源になると嬉しいです。

ご武運を!

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