投資

個人投資で短期に殖やせるか

短期で殖やせるか

2012年からアベノミクスで株価は
跳ね上がったまま上昇傾向を続け、
2019年はアメリカ大統領選を睨み、
株価の不透明感が増していました。

そんな中、
2020年にCOVID-19が猛威を奮い、
第二次世界大戦来の世界的に
経済活動が制約され続けています。
※2021年2月現在

ただ、企業の生産活動が鈍化に伴い
企業の業績に連動する株式市場は、
瞬間的な下落に留まっており、
各国の財政政策等でにより、
むしろ株価は上昇局面にあります。

まさに株式市場のマネーゲーム化です。
それと呼応して仮想通貨市場も暴騰し、
実体経済と乖離して投機熱が加熱しています。

2021年はバブルの年かも知れません。

従って、
「投機」を手段にすれば、
短期に殖やすには最適の環境

とも言えます。

では、「投機」とは何でしょうか。

投機とは

価格の低いときに購入し、
価格が上昇したところで売却し、
価格差で利益を得ようとする行為。

為替,土地,証券,貴金属等,
価格変動が大きく市場売買が容易なものは
投機の対象となる。

企業が将来の利益のために
設備や技術開発などに資金を投入する
投資とは異なる。

〜ブリタニカ国際大百科事典より〜

平たく言えば、

価格変動を利用して差益を取る手段

です。

価格の上下動の起因が
実体経済による影響が多い場合は、
実体経済を細かくみていく必要があります。

一方で、
実体経済と乖離している場合は
投機目的で参加する人々の心理戦なので、
投機心理を深くみていく必要があります。

「投機」におけるリスク対応

「投機」で誰もが楽に稼げるなら、
過去に幾度も起こったバブル崩壊の
影響を受けることはなかったはずです。

では、なぜ誰もが楽に稼げないのか。

簡単に言えば、
「投機」という心理戦の中では、
自分自身の心理をコントロールする
リスク対応が非常に難しくなる
からです。

どんなリスク対応が難しいのでしょうか。
以下に例を挙げます。

具体的なリスク対応例

①余裕資金の範囲を守る
②負けない事を最優先する
③引ける時には必ず引く
④わからない時は避ける
⑤勝っても謙虚さを保つ

表現すると実に簡単ですが、
実行するのは非常に難しいです。

なぜなら、
非常に耳が痛いことですが、
確固たる自制心が必要だからです。

「投機」においては、
この自制心が特に重要になります。

いくらテクニカルな分析ができても、
結局は自分の判断に起因しますので、
自分の判断基準がない、
あるいは、自分の判断基準を守れないと
負けてしまう
ことになります。

テクニカル分析とは…

将来の取引価格の変化を
過去に価格や出来高等の取引実績の
時系列パターンから予想・分析する手法

つまり、
自分を制しなければなりません。

そんな時、
私が拠り所にする格言があります。

自分を制する格言

心の欲する所に従えども矩を踰えず

(訳)

自分の心の思うままに行動しても、
決して道徳から外れないということ

〜論語・為政より〜

これが非常に難しいのです。
自分の利益と道徳をいかに両立させるか。
それも意図的なレベルではなく、
意図しなくとも成るようにする。

踏み外す要因はそこにあると考えています。

市場から搾取しない

先ほど示した具体的なリスク対応例を
それぞれ説明します。

①余裕資金の範囲を守る

これはギャンブル、独立、創業などで
大失敗する理由の一つでもあります。

最初は上手くいくかもしれませんが、
上手くいかなくなってきた時、
自分の生活基盤を切り崩していくと、
全てが成り立たない方向に作用します。

つまり、
小さい領域ですら増やせないのに、
大きい領域で増やす逆転はないのです。

勝ちたいが為に
逃げ切る余力まで消費した結果、
逃げたい時に逃げ切れずに、
全滅してしまうのと同じです。

従って、過度な期待は持たず、
まずは余裕資金を予め設定し、
それを越えない範囲で挑戦する
自制心が必要です。

失ってからでは遅い

②負けない事を最優先する

投機であれ、投資であれ、
その目的は資産を殖やすことです。

余裕資金を守ることに関連しますが、
余裕資金をいかに失わないかです。

誰でもそうですが、
投資対象を買った時は負けていません。
負ける(損した)のは決済した時です。

つまり、
ある時に買った(売った)ものを
いつ売るか(買うか)で決まります。

どんな商売でもそうですが、
いかに仕入れる時に
どの位売れるかを識るのが重要です。

ですから、
最大の防御は「買わない(売らない)」
になってしまいますが、

勝負しないと利得は得られませんので、
いつ仕入れ、いつ売るかが
全てを決めるという事になります。

つまり、
「いつ買うか」でほぼ勝敗がつきます。

では、いつ買うか。
下記のいずれかです。

買うべきタイミング

上がっていない時 or 上がり始め

つまり、
チャート上の低い所を探す訳です。

その際、
「高い」「低い」というのは
相対的な主観になりますから、
比較する対象が必要になります。

この比較対象を見つける為には、
いろいろな情報源から収集した
自分自身の選別眼が必要になります。

この「選別眼」を得るには、
論理的思考・経験・勘が必要な訳です。

自分自身がそれを説明できない状態で、
取引を始めてしまうのは危険です。

取引を始める前に
下記を説明できるようにしましょう。

なぜ上がるか / いつどこまで上がるか
なぜ下がるか / いつどこまで下がるか

投資資産を築けている方々で、
培った経験の中から得た
自分独自の理論がない方はいません。

今の相場においては、
機関投資家、プロトレーダー、AIなど
高度なスキル保有者が数多くいますので、
それを前提にしておく必要があります。

そうなると、
投機経験が浅いのであれば、
より近くより狭い範囲しか観えないと
自覚した方がよいでしょう。

観る範囲は絞れ

③引ける時には必ず引く

自分なりの相場の読みを持ち、
その上でより負けない為には、
勝っている時に決済する事です。

買いたい時は皆が買いたいですし、
売りたい時は皆が売りたくなるので、
そうなっている(加熱)時は
最大利益での決済機会は少なくなります。

余裕資金が乏しいのであれば、
敢えてそ狙わない自制こそ必要です。

運悪く、損が生じてしまった場合、
余裕資金を超える範囲で損失が生じ、
生活基盤が侵される事態になったら、
潔く引く(損切り)する事です。

すでに外している読みに対して、
都合の良い大逆転はあり得ません。

自分の「邪見」を変えない限りは、
状況を変えることは難しくなりますし、

往々にして被害を拡大させてしまいます。

邪見とは…

1 よこしまな見方・考え方。不正な心。
2 因果の道理を無視する誤った考え方。

〜デジタル大辞泉より〜

悔しいかも知れませんが、
自分への投資(勉強代、授業料)として
次に活かしていきましょう。

④わからない時は避ける

繰り返しますが、「邪見」ではなく、
「正見」で捉えることが必要です。

「正見」とは…

正しく真実を見ること。

〜デジタル大辞泉より〜

世の中の動きは常に変化し、
執着心によって捉え方は変わります

自らの修練を通して
正しい行いを修めていくことで
次第に執着心も統制する事ができます。

従って、
「分からない」という状況であれば、
その修練が足りない状況ですから、
あまり大きなことはやらない方が良いです。

もし、
相場のことはよく分からないけど、
修練の場として取り組むという考えなら、
余裕資金の一部を使った自分への投資として
小額規模から始めていきましょう。

小額でも多額でも
買う金額が違うだけですから、
相場への知見を深める上では、
どちらも大きく違いません。

しかし、
やってこそ初めて分かる部分が
当然あります。

小額規模の投資の繰り返しで、
自分なりの相場に対する知見と
余裕資金が溜まってくれば、
勝負する規模も大きくする事ができます。

多額を狙うような大勝負に挑むには、
それなりの知見が必要です。

少しずつ超えていく

⑤勝っても謙虚さを保つ

投資で失敗しやすい状況は
殖やす事ができた後に起きます。

全く未経験の状況では、
失敗する不安の方が大きいので、
自分の実力を過小評価しがちです。

一方、
投資で利益を得る事ができた場合、
それが大きくなればなる程、
自分の実力を過大評価しがちです。

但し、
自分の状況を適切に把握することは
非常に難しいので、
「外れているかも?」という意識を
常に持ち続けておく必要があります。

つまり、
謙虚さを保ち続ける事です。

謙虚とは…

謙遜で、心にわだかまりのないこと。
ひかえめで、つつましやかなこと。
へりくだって、つつましやかにすること。
また、そのさま。

〜精選版 日本国語大辞典より〜

仕事でもそうですが、新しい挑戦は、
常に「無知の知」で始まります。

自分の不足を知らない限り、
新たな挑戦も成長も起きません。

従って、
挑戦することは非常に重要ですが、
「足るを識る」はそれ以上に重要です。

特別な人は特別な経験を積んでいて、
凡人は一足飛びに特別にはなれないので、
雪だるま式に経験を積み上げる訳です。

謙虚さが持てないというのは、
丸く固まっていない雪と同じです。

その状態に雪を付けていっても、
雪の重みで潰れてしまいます。

新しく得た知見を実戦で踏み固めて
自分のものにしてから次に行きましょう。
「急がば回れ」です。

冷静になって
株初心者向け銘柄分析(理念と沿革)投資を始めて10年経って元手が10倍になったのをきっかけに、 これから堅実に投資を始めようとする人に 中小企業診断士の視点で私の投資哲学や経験談を参考にしてもらう記事です。 この回では、株初心者が中長期保有を前提とした銘柄選びをする時の 銘柄分析の方法として企業理念や沿革を見る意味と必要性について紹介します。...
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