メンタル

メンタル不調を感じる時

全ての人が向き合う課題

待ちに待っていた
2020東京五輪が閉幕しました。

コロナ禍で初の無観客試合など、
感染爆発の気配で賛否両論ある中、
異例づくめの開催でしたが、
選手たちのパフォーマンスに
心が震えるほど感動しました。

また、昨今の心に関わる
下段のような論点や課題を
改めて認識を促した大会だった
とも私自身感じました。

・トランスジェンダー
・LBGT
・誹謗中傷
・メンタルヘルス

言うなれば、
「集団」が焦点の時代から
「個人」が焦点の時代への
大転換の過渡期に入っている事を
この大会も実感させるもの
だったのではないでしょうか。

例えば、今、SNS等の普及で、
個人の心の声が詳細に可視化され、
マスな情報発信よりも、
パーソナルな発信が
世の中の潮流を作っています。

つまり、
パーソナルな心情が直接的な
影響を受ける機会が増えています。

これまでの
パワハラやセクハラ以外に
様々なハラスメントが生まれ、
誰もがメンタル不調の
加害者、被害者になり得る
機会がたくさん出てきています。

つまり、平たく言えば、

留意点①

メンタル不調は、
人との関わりがある以上、
誰もが絶えず、必ず、
向き合わざるを得ない課題

になってきたと言えるのでは、
ないでしょうか。

もはや、
特別な事情を持つ
特定の人の課題ではなく、

当たり前に起きてしまうから、
全ての人が対処する
スキルを持つ必要があります。

ここでは、
その対処法や見解の一つを
お伝えしたいと思います。

常識・道徳は人それぞれ

人は産まれてから、
最初は、母親から始まり、
家族、家族以外、学校、社会と
活動領域が広げていくに連れ、
自分以外の他者と関わりながら、
常識や道徳を身につけていきます。

また、アダム・スミスの
「道徳感情論」によると、

人々の円滑な集団生活を保つ為に
最低限必要な善悪の共通認識を
法律、規則、ルール、契約等として
人々は明文化してきたそうです。

一方で、

最低限以上の領域にある
共通認識である常識や道徳は、
様々な環境で育ってきた人々が
様々な過程で偶然に同じ環境に集い、
多種多様の相違した見解が混同し、
明文化することが非常に困難で、
グレーなものだそうです。

いわゆる、集団ごとに異なる
「暗黙の了解」みたいなものですね。

ただ、巷で溢れているような
様々な差別や偏見等を見ると、
私たちが人間関係で苦労するのは、
圧倒的に後者ではないでしょうか。

そう考えてみると、

他人と自分の常識や道徳は、
そもそも大半が異なっていて、
コミュニケーション無しに
共通認識を持つことは不可能、
無理があるのです。

だからこそ、

留意点②

そもそも常識や道徳は、
きっちり合わないのが当然

共通の目的や対話無しには、
合わせられない

つまり、「暗黙の了解」は、
突き詰めれば、実現しきれないという、
再認識が必要だと思います。

そんな前提を持つ上で
感じるメンタル不調とは、

相手に求める理解が
自分の期待通りに得られない

という事になると言えます。

つまり、
自分を相手に合わせたり、
相手を自分に合わせようとしても
なかなか上手くいかない…

それを合わせようと
執着してしまう程、
メンタル不調が悪化してしまい、
段々と自己嫌悪や悪意が沸いてくる。

そんな時は、
思い切って見切ることが肝要です。

自分は自分、相手は相手です。
異なる事を理解するだけで十分。
同意や迎合の必要なんてありません。


もし、同意や迎合に執着してしまうなら、
自分の不利益や劣等感の解消が
その動機になっているかも知れません。

それは誰のため?本当は誰のため?

マニュピレーターの存在

ところで、

潜在的攻撃性パーソナリティー
(=マニピュレーター)

という人々を知っていますか。

ジョージ・サイモンの
「他人を支配したがる人たち」に
出てきますが、端的に言うと、

マニュピレーター

自分の目的の為に、
上手い建前で他人を利用・支配し、
本音は他人の不利益に無頓着な人

です。

ただ、私自身もそう思いますが、
誰しもそういった側面を無意識的に
持っていると思います。

特に、
管理者、リーダー等の立場の場合、
その目的の対象が、
彼ら自身か、顧客か、組織か、メンバーか、
いろいろ入り混じってくるので、
マニュピレーターかどうか
見極めるのが難しくなります。

そんな時に見極めやすいのは、

留意点③

メンタル不調を感じるあなたと
相手との対話、やり取りの中で、

あなたの相手の目的対象に、
あなたの目的や成長を全く含まない場合、

マニュピレーターと
対峙している可能性が高い

です。

そんな時は、
「やり過ごす」のが賢明です。 

なぜなら、
マニュピレーターは目的を達成する為に、
あの手この手を使って対処するので、
下手に動くと火に油を注ぐからです。

「やり過ごす」は逃げではなく、
その時間を自分の為の活動に使えば、
有意義な時間創出に変わります。

実は、マニュピレーターは、

自分が抱える「恥」「劣等感」の
「解消」を自分の変化で対応できず、

他者、周囲、環境に変化を求め、
対応してきた熟練者である
「自己愛人間」とも言えますから、

そこに立ち向かうのは、
本当に容易ではありません。

良くあるケースでは、
彼らは組織の上位にいて
様々な権限の行使が可能ですし、

さらに、厄介なのは、

彼らは自分自身を
マニュピレーターや自己愛人間だと
認識できません。

自分のため?みんなのため?

反対に、彼らの目的対象に、
あなた自身の目的や成長を含むなら、
味方、コーチ、メンターにして
考えても良いでしょう。

正しい道を選んで効率的に進むには、
地図や案内人が必要ですから、
ありのままでなくとも、
役立つ知恵は活用して良いと思います。

マニュピレーター予備軍

ですが、
気をつける点があります。

それは、

留意点③

あなた自身が
マニュピレーターである可能性

です。

自分自身の主義主張が、
他者の目的や成長を含まず、
自身だけの為の目的で
無いかどうかは吟味すべきです。

例えば、
下記のような事があるとか。

・したくないことの押し付け
・自分への同意は当然とする
・見えない所で言動を変える
・バレなければ良いとする

私自身も常にこの問いを
自問自答し続けています。

自分の考える正義や大義は、
他者が望むものとは限りませんし、
気付かない事も多いからです。

むしろ、
望まない場合が多いからこそ
イノベーションには
障壁がつきものと考えます。

先述の通り、
多様な他者との関わりの中では、
自分が持つ常識や道徳よりも
その集団が持つ常識や道徳が
どうしても優先されます。

気がつけば、
マニュピレーターばかりの
集団に囲まれていることも
あるのです。

このように
見極めが非常に難しいですが、
利己主義か利他主義かが
マニュピレーターか否かを
分ける判断軸になり得ます。

マニュピレーターは、
利他主義の名の下に、
利己主義に偏重しますから、

自己顕示欲は強く、
常に原因を自分以外に求めたり、
自分の優位性をより強調し、
何でも抱えようとしたり、
あの手この手で周りを
支配、統制しようとします。

具体的的には、
貢献の美徳化、被害者意識、
他者批判、上から目線、群れを作る、
人を選ぶ等の対応が目につきます。

もちろん、
事実を良く知らないのに、
他者を偏見という色眼鏡で、
評価し、吹聴したりする等、
好き嫌いの主張も激しい
です。

そして、
利己主義ですから、
クローズドな対応が多く、
周囲を巻き込んだオープンで、
さわやかな感じもしない…

そんな人達なら、
マニュピレーター予備軍の可能性が高いと
言えるでしょう。

集団の自浄作用

マニュピレーターが原因となる
メンタル不調を認識しているのに、
「敢えてやり過ごす」ことは、
非常に大きな苦しみを伴います。

ただ、
利己主義で集まった集団は、
永続しませんので、ご安心を。

先導役は、
必然的に替わっていきます。

なぜなら、
利己主義は競争を生むからです。

人の欲求は無尽蔵であり、
付加価値を創出できなければ、
奪い合いや引きずり落とさないと
自分の利得が増やせません。

つまり、
マニュピレーターは、
周囲を養分に成長しますが、
自分自身が付加価値を出せないので、
周囲の大半は利得が得られず、
不満が段々と蓄積していき、
最後には離れていきます。

人が替わっていく中で、
自分の潮目が変わって、
マニュピレーターでない集団に
変貌していくこともあるのです。

留意点④

世の中には自浄作用があり、
止まない嵐はありません。

「やり過ごす」期間は、
「蓄え、備える」期間なのです。

この事実は、
中長期的に様々な変遷を経て
世の為になる集団しか残らないのは、
世界中の歴史を見れば明らかです。

因果応報、栄枯盛衰。

理解できないマニュピレーターに
心の栄養を使うのは無駄です。
自分の成長の為に使いましょう。

その力が輝く時が必ず来ますし、
蓄えた分だけ輝きも増します。

きっと大丈夫!きっと大丈夫!
不遇な時の心の整え方日々の生活の中では予期せぬ事がたくさん起きます。良いことも悪いことも。特に悪いことはその分だけ悩みが増えてきますし、心も疲れてきます。セルフメンタルコントール(心の整え方)次第で自暴自棄にならずに前に進むことができます。誰もが苦しい思いをしながら、心を整えながら前に進んでいます。私自身もメンタルが弱いので、皆さんとシェアしながら、一緒に進んでいけると嬉しいです。...